ねぇ、聞いて。
それから、私が落ち着くまでずっと太陽は私を抱きしめてくれていた。
太陽の腕の中はあったかくて…
太陽は何も変わってないな、
変わったのは勝手に怖がって現実から逃げようとした私だった。
私は泣きやみ太陽と向かい合うように座った。
「慢性腎不全。」
「まんせい…じんふぜん?」
告げられた言葉に聞き覚えは無くて私は聞き返した。
「腎臓の病気で、数ヶ月~数年かけてゆっくり進行して行く病気だ。
腎臓が上手く機能しないと綺麗な血が作られない。
だから俺は週に2回か3回、透析しに来ている。 透析さぼった時とか、透析の後はいつも顔色が悪い。」
私の頭は上手くまわっていなかった。
「それって、煙草ダメじゃん!
喧嘩もダメ! はい、タバコ出して!」
と机をベシベシ叩いた。
「クックッ…分ーったよ。出せばいいんだろ?」
と笑いながら出す太陽。
「笑い事じゃないよ!
約束して治るまで絶対1本もタバコ吸わないこと!
絶対喧嘩もダメ!しんちゃんとくまさんに守ってもらって!
分かった?」
「…」
頭を下げて私につむじを向ける太陽。
その体は小刻みに震えている
「笑ってないで!返事は!?」
「クククッ…分ーったよ」
と言ってくれた。