ねぇ、聞いて。
今は9月中旬。
昼休み屋上で6人で昼ごはんを食べていた。
これももう日課になり始めていた。
「はい、太陽のお弁当。」
太陽の昼ごはんは私が栄養を考えて作るようになった。
「ありがとな。」
太陽はいつも「うまい」って言ってくれる。
煙草も喧嘩もきっぱりやめてから調子が良くなっている。
「ちぇっ、太陽ばっかずりぃー
俺も弁当作ってくれる女の子がいたらな」
なんて言って不貞腐れてるしんちゃんは女好きなくせに彼女はいないらしい。
このルックスだ。
告白されないわけがない。
なのに、いないのはきっと実はちゃんとしているんだと私は思う。
それに、自分のことより相手の事を誰よりも大切に思って行動できるのはしんちゃんの良いところ。
私を助けてくれた時も必死だったって言ってたし、太陽が透析の時は必ず終わったあとに野菜ジュースを渡してくれるらしい。