ワケあり男子
泣きすがる菜美を閉め出し、私と金髪男さんの二人だけになる。
一気に空気が静かになってさっきまで聞こえなかった雨の音が耳に入ってきた。
金髪男さんを起こさないように窓の方へ。
こんなに降るなんて......
あっ!そういえばあのケンカの時、金髪男さん傘持ってなかったな。
相手の男たちは傘、差してたのに。
あっ!あの時傘が一本、相手側の方に落ちてた。
もしかして奪われたのかな。
振り返り、金髪男さんの顔を見る。
真っ赤な顔で辛そうに息をしている。
やっぱりどっかで見たことある。
しばらく考えてあることに気づく。
「あっ!冷えピタ、やんないと」
静かにドアを閉めてリビングへと向かった。