ワケあり男子



霜山さんの謎の呼び出しの時は晴れていた天気だったが、

お昼時間が終わると共に突然天気が変わり雨が降ってきたのだ。



傘が無いと嘆く周りを横目に置き傘がある私は少し胸を張って学校を出た。



そんな小さな胸を張ったって霜山さんの件が分かるはずもなく......




『栞乃......好きだ』



なんで名前を?
同じクラスだし名前ぐらいは知ってることには驚かないんだけどさ。



でも、好きって?
どういう好き?
友達として、女性として?



というか霜山さんとは挨拶ぐらいしかしたことない関係なんだから、

友達ではないよね......じゃあ?



告白だったにしても、なんで泣いてたんだろう?

っていうか告白だったのかな?
告白だったら返事できてないんだけどな。




『?』マークが堂々巡りする頭のまま家に着くと、

いつも通り妹の菜美がリビングのソファーでまったりとテレビを鑑賞していた。




「おかえり~」



「ただいま」



妹の菜美は中学3年生の不登校児で少々男にだらしないところがある。



菜美が言うには「浮気はしない!彼氏一筋!」なのだそうだが、

彼氏を取っ替え引っ替えする状態はいいのか?と問い返したい所。



ただ菜美は悪い奴じゃない。

このままじゃいけないことぐらい家族の誰よりも分かっているのは菜美だから。



私は知ってる、高校受験に向かって今猛勉強してること。

今さらなのかもしれないけど、私は応援してる。



だけど.........
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