ワケあり男子
「お...い、待てよ...」
するとそばで倒れていた男が金髪男さんの足首を掴んだ。
「触んなよっ」
弱々しい声で呟く男に迷いもなく蹴りを一発入れ、
そう吐き捨てた金髪男さん。
「あっ!こ、これは、ごめんなさいっ」
私の存在を思い出したのか、また慌て出す。
なんで名前を知っているのかと聞こうとしたとき、
金髪男さんから可愛らしいくしゃみが飛び出したかと思うと、
電池が切れたように後ろに倒れた。
「えっ!ちょっと!!」
駆け寄ると顔が真っ赤になのに気づく。
ずっと雨の中だったもんな。
どうしよう...
少し考え、男を担いで家へと帰った。