白黒のぬくもり

白黒モーツァルト

部屋につくと手早く買ってきたものを冷蔵庫へいれ、片付けもそこそこにして、携帯をテーブルの上へ置く。
そしてソファーに座りまんじりとも動かず携帯を見つめた。
「うわー電話かけちゃったよぉぉ!どうしよ!ドキドキするー!」いつ鳴るのかが気になって動けない。
携帯なんだから、携帯していれば何の問題もないはずなのに。

飲みかけのコーヒーをぐびぐび飲んで、タバコを吸う。
私はかなりヘビースモーカーだ。
イライラしている時や不安な時は余計に本数が増える。

テーブルの上の携帯とどのくらいにらめっこしただろう、タバコはもうあれから7.8本吸っている。
飲み終わったコーヒーの入れ物を捨てようとゴミ箱に手をのばしかけた時。

派手な着うたが鳴り響いた
「きたー!」心臓はバクバクしていたけれど、できるだけ落ち着き払った声で電話にでた。

声の主は先程かけたオバサンだ。
『どんな猫ちゃんをお探しですか?』という質問に私は戸惑った。

どんなも何も…何も考えていなかったからだ

どうしようかなぁと考えた挙げ句でてきたのは
「まだ小さい子がいいんですが…」というものだった。
ついで『子猫ちゃんは今4匹いるんですが、男の子と女の子どっちがいいですか?』またしても不意討ち。
雄?雌?どっちがいいわけ?性格とか違うもんなんだろうか…よくわからない
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