白黒のぬくもり
「も、もしもし」
『あ、コンビニまで着きました、前で待ってますね』「今すぐ行きます!」
携帯と玄関の鍵だけをパンツのポケットに詰めて、コンビニへと向かう。

コンビニの前に行くとママチャリの後ろにビニールシートに覆われたでっかい四角い物体を載せている小太りのオバサンが一人いた。この人に違いない!
私は走り寄って
「猫ちゃんの方ですか?」と聞くとオバサンは笑って「そうです、おうちはここから近いんですよね?」チャリンコを動かしながら言った。

「はい、5分くらいです」
オバサンと二人で猫の話をしながらアパートへ案内する。
アパート下に着くとオバサンはママチャリの後ろに括り付けていた四角い物体をよいしょ、と下ろした。

「ここの2階です」
オバサンはよっこらよっこら階段をのぼった。

部屋の中に通すと四角い物体をゆっくりと床に置きビニールシートを外した。


中にいたのは白と黒のちんちくりんな子猫だった!

わー何これー!超可愛い!
「可愛いですね!!」と言うとオバサンはにこやかに笑った。
そしてバッグから何やら書類のようなものを取り出した。

「里親になっていただく方にはこちらに記入頂いてるんですよ」
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