白黒のぬくもり
たしかにKIRIのヴァイブスやフリースタイルはすごくて、皆釘付けになって見ていたけれど、私はこのあとすぐ出てくるダンサーが可哀想に思った。

トイレに貼ってあった今日のﾌﾗｲﾔｰを見てみると、無名まではいかないがまだ出てきたばっかりの新人。

自分たちのダンスの前にトップダンサーがあそこまでボスしちゃうと出て来づらいんじゃないだろうか？
超緊張しちゃうんじゃない？

と、そろそろダンスショーケースの時間。
私はまたフロアに戻って、最前列を陣取った。

一組目はレゲエというよりもガールズヒップホップみたいなもので、全然面白くなかった。
二組目はピンダンサー、コスチュームや演出は凝っていたけどブランニューダンスしかできない子。
三組目が一番よくて、珍しい3人組、ルーティンも技もなかなかよかった。

一つ気になった事といえばショーケースのあいだ、何故かKIRIがステージに腰かけて見てたこと！

最悪だよ、マジでこの人。
ショーケースが終わるとラバーズメインになった。
時計を見ると4時あとちょっとでおしまいだ。

最後の一杯、とカウンターに行きシャンディガフを頼む。500円を渡してグラスを受け取ると、暗がりの中に長椅子に腰掛けてダウンしている男が目にとまった。
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