白黒のぬくもり
手元にあったキャンドルを尚史の手元に持っていくと私はゴムバンドの数を数えはじめた。

最初の5杯は白からはじまり、青、赤、黄、緑、黒と5杯づつでバンドの色が変わっていくらしい。
一週すると再び白に戻る。
一週した、白、青、そして赤が3本で終わっていたから…合計で43杯!
馬鹿か?!とも思ったけどこれだけ飲めば優勝いけるかもしれないっっ!

ぐだぐだになっている尚史を無理矢理起こして、半ば背負うような形でステージに連れていく。
ステージに上がっているのは7人うち2人は女の子だった。

左から順番に1から7となっているらしい。
尚史は最後だったので必然的に7番。
1番からマイクをむけられて名前等を言っていく。

皆テキーラのせいなのか異様に陽気だ。
ダウナーなのは尚史だけ。マイクを向けられてもいっこうに喋ろうとしないで、ぐたぁっと首を落としてしまうので、私が代わりに代弁した。

音楽に合わせて1番からバンドの数が数えられていく。

21、33、28、39、38、
最後の一人、「40ぅ…」そこまで聞いて、あー負けた!!と思った、がしかし「42!」やった!優勝だ!

尚史のカウントがはじまった。「おっと!なんと一杯差!43杯!7番の彼が優勝でーす!」またも会場中からガンの男やミキサーの音、歓声があがった。
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