白黒のぬくもり
せっかくの栄誉?だというのに尚史は本当にへべれけだった。
授与式も私が代理を請け負った。

各サウンドのタオル、某ブランドのTシャツ、それからドンペリ白に、なんと現金一万!!

なんだ、もっとしょぼいものかと思ってたけどけっこういいじゃん!

これは全部私が貰ってかえろーう。結局面倒みるの私だし、尚史にはTシャツ渡せばいいや。
もう人もまばらになってきて、静かなファウンデーションが流れている。

トイレ横に設置してある自販機でミネラルウォーターを買うと尚史に飲ませた。少しでも酔いを醒ませてもらわないと…


なんとか尚史をひっぱってクラブを後にした。
近くのベンチに座らせる、水は飲むものの、そう簡単には抜けてくれない。

どうしよ、アルト待ってるっていうのに…
「ねぇ、車乗れないでしょ?どうする?」何やら携帯を取り出しておぼつかない手付きで番号をさがしはじめた。

「前さぁ、いっしょり遊んだ誠二ていたじゃーん、あいつ家このへんなのぉ、ちょっと迎えに来てもらってぇ」とだらしなく喋りわたしに携帯を渡してきた。

「誠二、誠二、あったこれだ。起きてるかなぁ…」発信ボタンを押すと2コール目くらいで電話にでた。
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