白黒のぬくもり

「そう、テキーラ43杯のんでぶっつぶれたの!で、誠二君に迎えにきてもらったの!超大変だったんだからね!あんたは優勝したけど、超迷惑かけたから賞品はこれだけ!」Tシャツを尚史目がけてぶん投げた。


パシッと尚史の顔にTシャツがかかった。
それを取る仕草も何ともトロくて、酒ってのはやっぱいいもんじゃないなぁと思う。

尚史はフラフラとベッドから降りてきて、私達が座っているソファーの向かいにどかっと腰を下ろした。
バツが悪そうにやや俯きながら私達二人に頭を下げて「マジごめん!」て謝った。

誠二君がしょうがねぇなぁといった表情で「今度から気をつけろよ!」その後は和やかな雰囲気になった。
一応尚史はシャワーを浴びて、また水をがぶ飲みして、最後にアルコールの匂いが残っているといけない為、誠二君からブレスケアをもらって飲んだ。

尚史が回復した頃にはなんと夕方の4時近くになっていた。
「いけない!もおこんな時間だよ!!尚史もう大丈夫でしょ!?車運転できるよね?早く帰らなきゃ」
いきなりの慌てっぷりに一瞬たじろいでいた尚史だったが、誠二君にお礼の言葉もそこそこ、私は尚史の手をひっぱって駐車場へとダッシュした。
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