白黒のぬくもり
その場でぎゅうっと小さなアルトを抱きしめ
「ごめんねぇアルト！寂しかったね、お腹すいちゃったんだね、一人ぼっちにしてごめんね…」涙はなかなか止まらなくて、いつか嗚咽に変わっていた。

その間アルトは身動ぎもせず、私の腕の中でぐるぐると喉を鳴らしていた。

私はこんなにひどい事をしたのに、それでも私の帰宅を喜んでくれるアルトがたまらなく愛おしかった…


ひとしきり泣いたあと小皿にお水を入れ、ジャーキーを3本あげた。
やはりかなり喉が乾いていたのか、大好きなジャーキーよりも先にお水を飲んだ。
お水を飲んでいる間アルトの頭を撫でながら、何度も何度も謝った。
「もう一人ぼっちにしないからね…」
暫くお水を飲んだあとジャーキーを食べはじめた。

私は汗でベトベトになったワンピースを脱いで、下着のままソファーに座り一息ついた。
アルトが無事でよかった…
ジャーキーを食べ終えたアルトはいつもの定位置、私の膝の上にやってきた。
「怒ってない？」
言葉が通じるわけはないのだけれど、ニャァと鳴いた。

なんだか気が弛んでしまったらすごい疲労感が襲ってきた。
シャワーを浴びてこよう。
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表紙・目次

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