白黒のぬくもり
一匹下町散策
金曜の朝、目覚ましが鳴って目が覚めると足元が重かった。
何で？とみてみるとアルトが私の足元で寝ていた。

「どうやって上ってきたの？！」下からロフトまでは180センチはある。
ジャンプはできないよね？
じゃあ梯子？
あの梯子はかなり急斜面だし、足場も狭い。梯子から上ってくることは無理だろうと思う。

「どうやって上ってきたの？」まだ丸まって寝ているアルトを揺さ振るものの起きる気はなさそうだ。

「あたしが健忘起こしちゃって連れてきたのかなぁ…」腑に落ちないけれど…
時計を見ればもう9時になろうとしていた。

健二は10時にくるから、とりあえず着替えて、洗面所いって、軽く化粧をしなきゃ。
あんまり時間がない。丸まって寝ているアルトを左脇に挟むようにしてロフトを下りる。

手早くアルトにご飯をあげ私もコーヒーを飲む。
メールが届いた。もうすぐ着くけどアパート下車止められる？

とめられなくもないかな…『大丈夫だと思う』と送った。
それから暫くすると健二はやってきた。

ざっと部屋を見渡す。
「うーん、微妙だなぁ…これだけだよね？」
『うん』て言いかけて外にチャリンコを置いてるのを思い出した。

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表紙・目次

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