白黒のぬくもり
「そんなんじゃ弾けないよー」私が鍵盤から手をあげると、膝にいたアルトは鍵盤の上に飛んだ。
バオーンとすごい不協和音が響く。
そのまま鍵盤の上をとことこ歩く。バビョーン、バビョーン…4つの足が鍵盤を無作為に鳴らした。
「ちょっと、うるさいってばアルト!下りて」
尻尾をぴんと立てて、なんだか得意気に鍵盤を鳴らすアルト…
ショパンの猫のワルツってこれから着想を得たんじゃないよね…
「もう駄目!」抱っこして下におろす。
機嫌を悪くしたのかアルトは少し開いた扉から出ていった。
私も鍵盤を軽く拭いて蓋をし、部屋を出る。
一応アルトの毛が落ちていないか確認。大丈夫そう。
この夜から時々ピアノを弾くようにした。
アルトも毎回ピアノを聴きに来るようになった。
ただしアルトは扉を開けた先の廊下に座っている。
何故かというとあの翌日、ママにアルトを入れた事がバレ、私もアルトもひどく叱られた。
「毛が落ちていた」と言う。猫嫌いの人にはたった1本でも気付くものなんだろうか…?
叱られてからというもの、アルトはママがいなくても、私が呼んでも、ピアノの部屋には絶対に入らなくなった。
随分と賢くなったものだ。
バオーンとすごい不協和音が響く。
そのまま鍵盤の上をとことこ歩く。バビョーン、バビョーン…4つの足が鍵盤を無作為に鳴らした。
「ちょっと、うるさいってばアルト!下りて」
尻尾をぴんと立てて、なんだか得意気に鍵盤を鳴らすアルト…
ショパンの猫のワルツってこれから着想を得たんじゃないよね…
「もう駄目!」抱っこして下におろす。
機嫌を悪くしたのかアルトは少し開いた扉から出ていった。
私も鍵盤を軽く拭いて蓋をし、部屋を出る。
一応アルトの毛が落ちていないか確認。大丈夫そう。
この夜から時々ピアノを弾くようにした。
アルトも毎回ピアノを聴きに来るようになった。
ただしアルトは扉を開けた先の廊下に座っている。
何故かというとあの翌日、ママにアルトを入れた事がバレ、私もアルトもひどく叱られた。
「毛が落ちていた」と言う。猫嫌いの人にはたった1本でも気付くものなんだろうか…?
叱られてからというもの、アルトはママがいなくても、私が呼んでも、ピアノの部屋には絶対に入らなくなった。
随分と賢くなったものだ。