白黒のぬくもり
話しは順調に進み、急ではあるが明日の午後2時に面接に行くことになった。

「明日は急すぎたかな…」早くも後悔したが、約束してしまったものは仕方ない。
履歴書を書かなければ…

「昔買ったのあったよなぁ…写真撮りに行くのもダルいし…」引っ越しの荷造りをしている時に本棚に履歴書があった。
いつのだかはわからないが、その中に証明写真も入っていた。


玄関脇に2つにわけて重ねられた段ボールを見ると、右側の一番上に『本棚』と書かれたものがあった。
開けてみると乱雑に入れられたノートや本が入っている。

上から冊子を出していくと中程に履歴書があった。
「あったあった」
取り出してみるとビニールは若干よれていたものの、中身の履歴書には何の問題もなさそうだった。

裏返すと一枚だけカットされた証明写真が入っている。やや明るめではあるが茶髪と呼べなくもないストレートロングの髪型の写真だ。

「いつのだろ?」履歴書に貼る証明写真は3ヶ月以内のもの、と記述されているが中学や高校の時のものでなければ他人にはわからないだろう…

履歴書と写真だけを取り段ボールをもとに戻す。


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