白黒のぬくもり
夕飯を済ませ、DVDをセットする。
寝転ぶアルトの横に腰をおろすと、ぐりんとアルトが起き上がって膝の上に乗ってきた。

「アルト毎日白い猫と何やってるの?」
私の質問に対して答える意思がないのか、またこてんと寝転んでしまった。

寝転ぶアルトの背中を見ると小さな枯れ葉がくっついている。

全く…何やってるんだか。

私がDVDを見ている間ずっとアルトは膝の上で寝ていた。

途中足が痛くなってアルトをどかすと、寝ぼけた顔でばあちゃんの膝の上へと移動する。

ばあちゃんも、そう長く膝の上には載せていられないので暫くするとアルトをどかす。

すると又寝ぼけた顔で私のとこに移動してくる。
こんなことを数回繰り返す。

そんなにウロウロしていて眠気は飛ばないのか?と思う。

『眠る子』と書いてねこ、そんな語源だと何かで聞いた。
半信半疑ではあったけれど、あながち嘘でもなさそうだ。

「よく寝るねぇ…」アルトを撫でると、寝ながら私の太ももをふみふみし、人間のようにむにゃむにゃと口を動かす。

そのむにゃむにゃが可愛くて、髭を下に下げるように触ると、上唇(唇というのだろうか?)が上へにゅっと上がり、なんとも悪そうな顔になる。


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