白黒のぬくもり

「変な顔…超悪そうだよ、アルト」しつこく髭をいじったが全く起きる素振りも見せず、またむにゃむにゃとやって、フーン…と鼻から深い息を吐き深く寝入ってしまった…。

アルトを弄ってばかりいたせいでDVDはほとんど見ていなかった。

明日はバイトもない。

「いいや、明日見よう…」停止して寝る準備をはじめる。
いつものように薬を飲み、まだ効きはじめる前にお風呂に入る。

薬を飲んでからお風呂に入るのは危ないのかもしれないが、前から何度となくしていたし、実際危ない目にはあったことがない。

特に今は実家の為何かあったとしても大丈夫、という考えから時間節約の為に薬を飲んでからお風呂に入る事が増えた。


お風呂から上がるとアルトが布団の上で先に寝ていた。アルトを起こさないようにそっと布団に入る……



何の変化もない毎日。
バイトも週1、2回と出勤日を減らした。
そうなるとママの機嫌は悪い。
「ちゃんと仕事探すとか、何かすることないの？」
私の顔を見ればそんな事ばかり言う。うんざりだ。

働くなんて無理。今のペースでバイトをするのが精一杯。

この先の事なんて何も思い浮かばない。
私も猫になりたいなぁ…