白黒のぬくもり
そんな事を思いながら小さく体育座りをして、いつものようにTVをつけた。

時間は午後2時、どのチャンネルもワイドショーしかやっていない。
アルトも遊びに出ている。「つまんない…」
ポチポチとチャンネルを変え適当なワイドショーを見る。
最近のデパ地下情報や流行ファッション情報等、今の私には全く縁のないものばかり……

暫く見ているとレポーターが大学や専門学校に取材に行く、といったコーナーが始まった。
もう少しすると巷は受験シーズンになる。

「もうそんな時期?大変だねぇ」学校側も生徒を確保するのに必死なんだろうか。
レポーターが学校内のカフェを紹介している。
まぁ何とも綺麗な内装だ。
「すごいねぇ、超綺麗」私の記憶にある学食とは全く異なる。

「いいな、学校…‥」
働くのは嫌だし…学校とかいいんじゃない?
単純にそう思う。今更また学生、というのも微妙ではあるけれど、とりあえずの肩書きがあればママも文句は言わないだろう。

「なんかないかな…」
ファッションチェックのコーナーに変わったワイドショー、リモコンでビデオに切り替えDVDをつける。

相変わらずのホラー物。
文字から血が滴っているオープニングをぼんやり見ながら学校の事を考える。
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