[短]好きなのに


きっと、薫はここには来ない。

今、はるかと一緒にいるだろうから。

付き合うのかな…?

また涙が出て来る。


フェンスに寄り掛かり、座る。




「……何であんなこと言っちゃったかな。あたし。」



ボソッと呟いた。

本当、あたし馬鹿だよ。

こんなに好きなのに





―バンッ




すごい勢いでドアが開いた。


「菜穂!」







嘘…。

あたしの見間違い…?

だって、あたしの瞳に薫が写ってる。







「ごめん。菜穂…。」





そう言ってあたしを強く強く抱きしめた。





「薫ー?どうしたの?」





そんなことされると、好きになっちゃうよ…?
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