[短]好きなのに
はるかの相談だし、軽く流して終わろうと思ってた。
だけど終われなかった。
終われる筈ない。
その内容にはあたしも言葉を失った。
「あたしね?
正直、薫とか嫌なんだよね。いろんな人に勘違いされるし、好きな人にもそういう風に思われちゃったし。
だからさ、早く振りたいんだよねー。菜穂、協力してくんない?」
何、こいつ。
……ふざけんなよ。
あたしの中で貯めていたものが溢れ出しそうになる。
それじゃあ、なに…?
あたし、こんな奴に薫とられたの…?
こんな奴のためにあれだけ悩んだの…?
こんな奴のためにあれだけ泣いたの…?
こんな奴のために……。