[短]好きなのに
「じゃあ、はるかは…薫のこと…どう思ってるの…?」
あたしはキッとはるかを睨みながら聞いた。
はるかは少し怯んだけど、すぐいつもと同じような強気なはるかに戻った。
「嫌いだよ。しつこいし」
ごめんね…?
薫…。
あたし、薫が大好きな人、絶対好きにはなれないよ。
―バシッ
鈍い音が廊下に響いた。
「痛ーい!何すんの!?」
「叩いたの」
そう。
あたしははるかの頬を思いきり叩いた。
もちろん手の形はパーだけど…。
女の子だし、グーはヤバイし。
「そんなのわかる!
何で叩いたのかって聞いてんの!」
「そんなの、決まってんじゃん……