Secret Mission
瑞稀は、家の近くを散策しながらスーパーに向かう。
住宅街なのだが、結構端っこの為か、コンビニ、繁華街、スーパーと買い物や暇潰しには困らなさそうな場所だ。
因みに、コンビニの近くに広陽高校もあり、部活をする生徒で賑わっていた。
瑞稀は生まれも育ちもこの市内なのだが、瑞実家はここと繁華街を挟む反対側にある為か、あまりこっちには来たことが無かったのだ。
もう10月になるというのに、暑い陽射しから逃げるため、スーパーに入る。
「…涼しい。」
スーパーの中は外の暑さとは大違いの涼しさだった。
夜になるまでここで暇潰すのもいいかもしれない、そう思うほどだ。
壁に貼ってあったお買い得!とデカデカに書いてあったチラシを見ると、今日は鮭がお得のようだ。
「んーそうだな…今日は鮭でも焼くか。」
必要なものをカゴに入れていく。
そして、レジに行き、会計を済ませる。
「袋はお持ちでしょうか?」
「……あ。すみません、入れておいてもらえますか?」
「かしこまりました。」
店員と義務的なことを話し終えて、スーパーからでる。
―――……あっつ。
もう日が落ちるというのに店内から出た瞬間、汗が滴り落ちるほどの暑さだった。
早く、適温なところに行きたい。そう思ったのか、足早に家へと帰る。