Secret Mission
あの後、水樹はよくあるような質問に答え、その後、修学旅行の班を決めた。
班は翔と一緒で不良っぽい人達がいなかったのが一番の救いだろう。
今日は水樹が転校してから三日後だ。
「っ…ふわぁ…。眠い…。んあ、何だ、これ。」
水樹は学校に登校し、今は靴を履き替えようとしている所だ。
そして、水樹は靴箱の中を見て怪訝な顔をしていた。
「……はぁ…在り来り…というか、なんと言うか。」
靴箱の中には、カビたパンと幾多ものゴミが入っていたのだ。
―――どうするかな。片付けるのも面倒だし…。
水樹が靴箱の前で立ち往生している中、水樹と同じクラスの男子…不良たちが隠れて靴箱を見ていた。
「プッ…!水樹のやつ、慌ててんぞー…。」
「ああ、そうだな、でも…なんか、反応微妙だな…頑張って集めたんだけどなぁ。」
「あー、まぁな、カビたパンとか触りたくもなかったわ…。」
この不良たちは昨日、水樹に変な質問をした祐一…フルネーム、渡辺祐一と一緒につるんでいる男たちだ。
この不良は祐一に水樹をいじめろと頼まれたのだ。
リーダーの頼みは断れない為、応じたのだが人をいじめたことがない少年にはどうやっていじめたら良かったのか分からず、典型的な方法しか思い浮かばなかったのだ。
「はぁ…。まぁ、いいや。」
水樹は小さくため息をつくと、職員の靴箱に入っているスリッパ―このスリッパは来客用のため、取ってもそこまでは怒られないだろうという考えた―を履き、職員室に向かう。
「あ?あいつ…スリッパはいてどっか行きやがったぞ。」
「スリッパ無断で使うのはあれだから職員室にいったんじゃないか?」
「ああ、そっか!……って、何も反応しなかったなぁ。」
「ああ、次の手を考えるぞ。」
「おうよ!」
不良たちは落胆しつつも、玄関を後にした。