Secret Mission
瑞稀がいきなり殴りかかった男は彩瀬辰巳という名で、
さきほど喋った色素の薄い髪を持った男が幸村宗平。
瑞稀と仲良くしてくれる数少ない友人だ。
「いやー、あのまま喧嘩してくれれば面白かったのに。」
「何言ってんだ宗平。そんなのするわけ無いだろ?」
「する気ねぇなら殴ってくんじゃねぇ。俺は平和主義なんだ。」
そう、この二人少しばかり癖がある。
辰巳は風貌や口調とは裏腹な平和主義者。
逆に優しげな顔つきの宗平が腹黒な暴力主義者。
何でこの二人の性格が入れ替わってないのか不思議なものだ。
「あ…そう言えば、お前らって高校どこいってるんだっけ?」
「んー?向陽高校だけど?…ま、いってないけど。」
「いきなり何なんだよ。」
「ああ、やっぱりか。クラスは?」
「Dだよ。」
そう言われ、瑞稀は自身の教室を思い浮かべる。
そして思い出した。瑞稀の前の席、確かその2つも空いていたはずだ。
「んじゃ、明日辺り来てみろよ。面白いモンが見れるぞ?」
「面白い?」
そう首を傾げる宗平に瑞稀は頷いた。