Secret Mission




「は、はい…っ…だ、大丈夫、で…」

なんだかんだでもう限界のようで"す"と言う前に吹き出す。

「幸村!?面白い場面なんてあったか!?」

「っあはははははは!っみ、みずっ……が!」


名前が出てきそうになったので、宗平に忠告しておく。


『俺、今変装中だからバラすなよ。ま、面倒くなったら戻すかもだけどな。

ああ、あと、ここではおれ熊野水樹になってっから。間違えんなよ。』

「水?いやいや、水なんてどこにもないからな!?」


先生の慌てようが凄い。当然だ、サボリ魔の一人である宗平がいきなり来たと思ったらいきなり笑い出したのだから慌てないわけがない。

宗平は誤字を多発させながらも返信してくる。


『わかつた、でもたえかれなうかめ』

『おい、何つってんだ。っと、了解』


宗平はヒィヒィ言いながらも息を整える。


「っはぁ…すみませんでした。なんだかツボに入っちゃったみたいで。」

「いや、大丈夫だが…。」


そして、誤字に気付いたのだろう訂正してきた。

『いやーごめんごめん。わかった、でも耐えられないかもって言おうとしたんだよ』

『手震えすぎ』
『馬鹿じゃねぇの』


そう辰巳が送信した途端、鈍い音が教室に響き渡る。
教室に居た人間が音の方をした方を見ると頭を抱える辰巳の姿があった。


『笑ってたんだからしょうがないでしょ?』

「おい、てめぇ!馬鹿っつったぐれぇで殴んじゃねェよ!」

痛さが引いてきたのか、宗平の返信を見てから宗平の椅子を蹴る。
さて、本当に平和主義なのか謎に思えてくるところだ。

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