Secret Mission
結構強く蹴ったのか宗平の椅子は少しガタンと音を立てる。
それに苛ついたのか、宗平が立ち上がり黒い笑みを浮かべながら辰巳を睨みつける。
「馬鹿?辰巳のほうが馬鹿でしょ?何言ってるの?というか、笑いながら文字打ってみなよ。無理でしょ?」
「はっ!流石にテメェよりかは誤字すくねぇよ。」
そのまま喧嘩に入りそうな勢いである。
先生はその光景を見てため息をつき、出て行った。
どうやら、話すことは話し終わっていたようで。
それからも辰巳と宗平は口喧嘩を続け…流石に水樹がキレそうになった時、事件が起こった。
二人が水樹の方を見ながらこういったのだ。
「水樹だってそう思うよな?」
「水樹だってそう思うよね?」
そして、喧嘩を見ていた人が水樹の方を見る。
その目は驚きばかりだ。
水樹は目を見開きつつも、二人を睨みつける。
気づいた人は気づいただろうほどの微量の殺気。
幸いなのは渡辺たちや翔、和人、燈蔭が居なかったことだろう。
渡辺たちに見つかれば何かからかわれるだろうし、今この演技をしているなか翔たちに見られるのはまずい。
彼ら見ていて分かったのだが、中々のやり手であるということが分かった。
多分今日はサボりだ。
「…あ、いや…。」
水樹は遅い言い訳だと分かっていつつも、オドオドした様に目を逸らす。
その後ろ手でSNSで二人に話す。
『なぁおい、何やってんの?何話しかけてきてんの?いや、話しかけて来んのはいいけど何でそう人の目が痛い時に話しかけてくんの?まだ会ったことねぇだろ"水樹"とお前らは』
二人は同時と言ってもいいスピードでスマホを見て、やばいという顔をする。
……が、宗平はその瞬間笑った。