Secret Mission
事件
入って来たのは、ボロボロにされた翔や燈蔭、和人だった。
「っ!?」
水樹は目を見開いて驚き、三人に駆け寄った。
「お前ら、どうしたんだ!?」
「何ともないさ…てか、雰囲気変わってないか?」
「いやいや…雰囲気どころじゃないだろう…。」
水樹は宗平と辰巳に声をかける。
二人は頷きながらも駆け寄ってくる。
見たところ一番損傷が多いのは燈蔭のようだ。
「宗平は和人を。辰巳は翔を担げ。」
「あ?どこに行くんだよ。」
「辰巳馬鹿?保健室以外ないでしょ。」
流石に辰巳は宗平の言葉を聞き、自分が馬鹿だったと思い、翔を担いだ。
宗平も同じように和人を担ぎ、水樹は燈蔭をお姫様抱っこした。
「って、…なんで僕だけお姫様抱っこ?」
「俺そこまで筋力ない。」
「あー…なるほど。っ…いてて。」
水樹の言葉に頷くと、丁度怪我した場所に響いたらしく顔を歪める。
「…燈蔭、誰にやられた?」
「…渡辺たちだよ。」
燈蔭は水樹の口調の変化に驚きつつも答える。
そして、燈蔭は納得した。
―――なるほどー、水樹に違和感あると思ったらこれだったんだ。
勘ではあるが、水樹の演技に気付いていたのだ。