光の少女Ⅳ【神魔界編】
「・・・!」
聖羅の後をついて歩いていると、不意に後ろから来た誰かにぶつかられる。
「いてててっ・・・」
視線を向けると、そこにはフードとマントで姿を隠していたが、声を聞くとまだ幼い少年のような人物がいた。
「君、大丈夫?」
「あ、うん。ごめんなさ・・・!?」
花音が掛けた声に、少年は答えかけて言葉を止めると、慌てて走り去っていく。
「何だ?あいつ」
「どうしたんだろ?」
まるで逃げるように走っていってしまった少年に、花音達が首を傾げている一方、聖羅がその少年の去った方向を厳しい表情で見ていた。
「・・・どうした?」
少年の去った方向を睨むように見ていた聖羅に気付いた夜天が聞く。
「今の・・・まさか!?」
それに答えることなく、聖羅は呟いて走り出す。
「おい、何処に行くんだよ!?」
「追いかけよう!」
急なことについていけなかったが、見失わないようにと後を追い掛ける。
聖羅に追い付くと、そこは人気のない路地で、彼女は身を隠すようにして前方を窺っていた。
その先には、先程の少年ともう一人の少年がいた。