光の少女Ⅳ【神魔界編】
「「!!」」
どの位上の方まで来たのか、不意に前にいた風夜と封魔が足を止めた。
「どうした?」
「・・・この先にいるな」
問い掛ける火焔とは違い、何かを感じ取ったらしい風牙が言う。
「えっ?いるって、何が?」
「この気配は多分・・・」
黄牙がそう言った時、爆音と共に目の前の壁が吹き飛ぶ。
そしてその先には、身の丈程の大剣を手にしている闘牙の姿が見えた。
「ここから、先には行かせん!」
そう言った闘牙の背後には、更に通路が続いているのが見え、その先に進まなくては兵器が壊せないことはわかった。
「っ・・・」
立ち塞がる闘牙に花音が背の弓に手を伸ばし、他の仲間達も身構える中、それを制するように封魔が前に進み出た。
そのまま、闘牙に視線を向けた状態で口を開く。
「先に行け」
「えっ?」
一瞬何を言われたかわからず、聞き返す。
だが二度は言わないというように封魔は、闘牙へと向かっていってしまった。
「えっと、先に行けって・・・」
呟いて、どうしたらいいのかと花音は仲間達と顔を見合わせる。
その時、風夜が溜め息をついた。
「行くぞ」
「「!?」」
行ったかと思うと、花音は琴音と共に抱え込まれた。
同じように風華が黄牙に抱えられる。
それを確認すると、風夜は火焔達についてくるようにだけ言い、花音と琴音を抱えたまま、封魔と闘牙の横をすり抜けた。