光の少女Ⅳ【神魔界編】


「あれだ」


最上階。そこに設置されている砲台を風夜が指す。


「なんか、あの後は思ってたより、簡単に来られたね」

「まあ、あの後は邪魔という邪魔は、入らなかったからな」


そんな風華と火焔の声を聞いていると、何処からか爆発音のようなものが聞こえ、僅かに揺れを感じた。


「今のっ!」


それで一番最初に頭に浮かんだのは、一人で残してきた封魔のことだったが、風夜が見たのは外だった。


「・・・他の二ヶ所は終わったみたいだな」


風夜の横にいた風牙が同じように外を見て、二人の近くに行った黄牙と梨亜もほっとしたように息をつく。


「えっ?」


今の音が封魔が残った所からだと思っていた花音は、少しも慌てる様子のない四人を見て、どちらかというと彼女と同じことを考えたらしい火焔達と顔を見合わせる。

すると、そんな花音達を振り返った梨亜が手招きしてくる。

それに呼ばれるように近付いていくと、彼女達の視線の先にあった他の二ヶ所の砲台辺りから煙がでているのがわかった。
< 109 / 174 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop