光の少女Ⅳ【神魔界編】

第2章 亀裂

1

兵器を壊してから数日後、花音と光輝は神蘭達に呼び出されていた。

彼女達が待っていた部屋に入ったところで、思わず動きを止める。

そこには、神界にいる筈の総長と副総長の姿があった。


「どうして?」

「兵器が壊されたことで、取り敢えずの危機は去った。今のうちに総攻撃を仕掛けるのだ」

「その為の軍は、配置済みよ。手始めにこの街から」

「ちょっと待て!」


副総長の言葉に、光輝が声を上げた。


「手始めにこの街っていうのはどういうことだ?この街は・・・」

「味方と言いたいの?この間のことを忘れた訳ではないでしょう?」

「あれは、黒蘭に操られていたから!」


聖羅の言葉に、花音は反論する。


「確かに、彼等の意思ではなかったかもしれない。だが、また同じことが起きるかもしれないだろう」

「だからって」

「それに今は同じ目的を持っていたとしても、その目的を果たした後、どうなるかわからないでしょう」

「これは決定事項だ。攻撃開始は、今から八時間後」


異議は認めないというように総長が言い放つ。


「心配しなくても、他のあなた達の仲間に危害は加えないわ」


聖羅が言ったが、その言葉を聞いても安心など出来なかった。
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