光の少女Ⅳ【神魔界編】
「「・・・」」
部屋を出て、花音と光輝は無言のまま歩く。
二人の手には、薬の入ったカプセルの入った瓶があり、それを見つめる。
それは、神麗から渡されたものだった。
ー「ごめんなさいね。神帝からの命令には逆らえないの。だから、せめて苦しまずに」ー
即効性の毒だと渡されたものは、二人合わせて四錠。
風夜、風牙、夜天、沙羅に使えと神麗に言われたものだった。
「・・・くそっ・・・」
瓶を握り締めて、光輝が呟く。
「こんなものを渡されたって、出来るわけないだろ」
「何が出来ないって?」
「「!!」」
聞こえてきた声に視線を向ける。
そこには、冷たい視線を向けている紫狼がいた。
「紫狼さん・・・」
「その手に持っているものを渡してもらおうか。それと」
その言葉と共に、二人は何人かの魔族に囲まれた。
「神族が何かを企んでいるのはわかっている。それについて、知っていることを教えてもらおうか」
紫狼はそう言ったが、その目や雰囲気は既に花音達のことも敵と認識しているようだった。