光の少女Ⅳ【神魔界編】
「あれ?何か落としたよ」
気付いた美咲がそれを拾おうとする。
「いいよ。必要ないものだし」
「そもそも、それは風夜達に飲ませろって渡された毒薬だしな」
「えっ?」
光輝の言葉に、美咲は手を引っ込める。
「あんた達、一体何させられそうになってたのよ?」
「あ、あはは。そ、それより、雷牙くん達は?」
琴音に苦笑して、問い掛ける。
夜天は風夜達についていったのだろうが、雷牙達は神族から逃げる理由はない。
だから、ここにいないことも来る気配がないことも気になっていた。
「ああ。あいつらなら、向こうについていったぞ」
「向こうって、風夜達の方にか?」
聞き返した光輝に、紫影が頷く。
「今回のことで、向こうの考え方も分かれてるみたいでね。風夜様と夜天様のことが気になるみたいよ」
「そっか」
付け加えるように言った紫姫に、花音はそれだけ返した。