光の少女Ⅳ【神魔界編】
「「!!」」
姿を見せた聖羅に、少年達が顔を強張らせる。
「・・・あなた、魔族ね。今の状況がわからないような年にも見えないけど、今ここに来るということがどういうことか、わからないのかしら?」
その言葉に、魔族の少年は顔を俯かせる。
それを見て、もう一人の少年が庇うように割って入った。
「ま、待って!この子は友達なんだ!僕の大切な・・・」
少年がそこまで言った時、聖羅は少年と目を合わせるように座った。
「そう・・・。でもね、魔族である以上、見逃す訳にはいかないの。・・・今の状況なら、尚更ね」
「っ・・・」
言い聞かせるような言葉に、少年は俯き、唇を噛み締める。
かと思うと、魔族の少年へと向き直った聖羅を思いっきり突き飛ばし、少年の腕を掴むと走り出した。
「こっち!早く!!」
「あ、ああ!」
「っ・・・、待ちなさい!」
体勢を立て直した聖羅が声を上げたが、二人は逃げていってしまった。