光の少女Ⅳ【神魔界編】
「それで、魔族達を逃がしたのはお前達だな。何処へやった?」
「さぁ、知らないわ。刹那に聞いて」
行き先については、何も知らないというようにあっさりと星夢が返す。
その言葉に花音達は刹那を見たが、視線を受けた彼は肩を竦めた。
「生憎、俺は魔界のことを知らないから、適当に飛ばしただけだ。何処に行ったかは知らないし、同じ場所へ飛ばせと言われても無理な話だ」
それを聞いて、総長や神蘭達が顔を顰める。
(まぁ、今のは嘘だよね)
刹那が本当のことをいっていないのは、花音でもわかった。
「・・・まぁ、いい」
暫く刹那を睨み付けていた総長が諦めたように言う。
「あなた!?」
「総長!?」
「あらっ?」
それに副総長と神蘭達は驚いたように、神麗は珍しいものを見たというような声を上げる。
それには構わず、総長は続けた。
「どうせ、この魔界の何処かにはいるのだ。魔族を根絶やしにすると決めた以上、一度逃げたところで結果は変わらん。・・・それより、そろそろ行くぞ。抜け殻の街に用はない」
そう返すと軍を動かす為にか、総長は副総長と共に屋敷を出て行ってしまった。