光の少女Ⅳ【神魔界編】
『ぎゃああああ!』
「っ・・・!な、何?」
耳を塞ぎたくなるような叫びに、花音は少し顔を顰めながらも、魔物を見る。
すると、身動き出来ないせいで思いっきり悲鳴を聞いてしまったらしい凍矢達が表情を顰めているのがわかったが、魔物は更に悲鳴を上げた。
『ぎゃあああ!熱い、熱いぃ!』
一体何が起きているのかと思っていると、まだ花音達がいる場所からは少し離れていたが、火の手が上がったのが見えた。
『やめろー、やめてくれー』
「「「「うわっ!?」」」」
「「「「きゃあああっ!?」」」」
迫ってくる炎に木の魔物は、捕まえている凍矢達を振り回す。
「皆が!」
「大丈夫だ」
「風夜?」
「大丈夫って、あれで本当に大丈夫なのかよ?」
「・・・まぁ、見てろ」
声を上げた光輝に、風牙がそう返す。
少しも慌てる様子のない二人に花音と光輝が顔を見合わせた時、風の唸るような音が聞こえてくる。
そうかと思うと、風は刃のようになり、木の魔物へと降り注いだ。