光の少女Ⅳ【神魔界編】


『うぎゃあああ!痛い、痛いぞぉ!』


そう声を上げている間にも、風の刃は枝を切り裂き、凍矢達を自由にしていく。


(これって、もしかして)

「風兄様ー、これでいいんでしょー?」


聞こえた声に視線を向けると、自由の身になった凍矢達のところに風華と空夜の姿があった。


「やっぱり、今の・・・」

「ああ、そうだ。・・・火焔!」


頷いた風夜が叫ぶように言った瞬間、先ほどよりも勢いを増した炎が広がった。


『熱いー、やめろー!助けてくれ!ぎゃあああ!』


凍矢達を解放したこともあり、容赦無く広がっていく炎に焼かれ、悲鳴を上げていた魔物の声が大きく響いた後、小さくなっていく。

そして、完全に聞こえなくなると、炎も跡形もなく消えた。

森が焼かれたせいで、炎が広がってきた方は平地になっていて、その先に少し疲れているように見える火焔と、風夜についていった夜天達の姿があった。
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