光の少女Ⅳ【神魔界編】

第3章 哀しき運命

1
少年の声がした方へ花音達が来ると、そこには怯えたように座りこんでいる神族の少年と、ある場所を見て動きを止めている魔族の少年、そしてその視線の先に窮姫達の姿があった。


「あら?」

「ほう、これはこれは・・・」


花音達に気付いた窮姫達がニヤリと笑う。

彼女達はもう隠す必要はないからか、背から黒い翼を生やし、鎧のようなものを身に付けていた。


「まさか、こんなところで神族の神子に会うとは」

「それも、邪魔な闘神共は誰もいない」

「ふふ、私達、ついてるわね」


そう言った五人の視線は、聖羅一人に向けられていた。


「おい、ここって中央に近いんだろ?こんな簡単に侵入されてていいのかよ」


五人から視線を外さないまま、雷牙が言う。


「ふふ、その点はその子に感謝ね。その子についてきたら、この町についたのだから」


窮姫がそう言って、魔族の少年を指す。


「・・・そう。やっぱり、ろくなことにならなかったみたいね」

「でも、私達には色々と好都合よ」


窮姫は言って、他の四人を見た。
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