光の少女Ⅳ【神魔界編】
3
「・・・んで、どうして?」
今のやり取りを呆然と見ていた花音の耳に、誰かの泣くのを堪えているような声が聞こえる。
それはいつもの彼女のものとは思えないもので、花音は気になり、視線を向ける。
「神蘭さん?」
顔を俯かせている為、彼女の表情は花音からはよく見えない。
だが、肩が僅かに震えていることから泣いているのかもしれないと思った時、彼女が顔を上げる。
その目には、やはり涙が堪えられていた。
「私は・・・、私達は!お前を失いたくないだけなのに、どうして、わかってくれないの!?」
悲痛な声を上げる神蘭に、封魔が視線を向けることはない。
(どうすればいいんだろう?)
それを見ながら、花音は思う。
神蘭が泣いているのも、龍牙達が止めようとしていたのも、封魔をここで失いたくないからだろう。
そして、封魔が自分の限界に構わず、抑えていた力を解放したのも仲間を失いたくなかったからのはずなのだ。
花音だって、これ以上は誰の犠牲も見たくないし、何よりこんな辛いすれ違いも見たくなかった。
それでも、この状況を変える方法も思い付かない。
その時、視界の端で風夜が溜め息をついたのがわかった。
「・・・んで、どうして?」
今のやり取りを呆然と見ていた花音の耳に、誰かの泣くのを堪えているような声が聞こえる。
それはいつもの彼女のものとは思えないもので、花音は気になり、視線を向ける。
「神蘭さん?」
顔を俯かせている為、彼女の表情は花音からはよく見えない。
だが、肩が僅かに震えていることから泣いているのかもしれないと思った時、彼女が顔を上げる。
その目には、やはり涙が堪えられていた。
「私は・・・、私達は!お前を失いたくないだけなのに、どうして、わかってくれないの!?」
悲痛な声を上げる神蘭に、封魔が視線を向けることはない。
(どうすればいいんだろう?)
それを見ながら、花音は思う。
神蘭が泣いているのも、龍牙達が止めようとしていたのも、封魔をここで失いたくないからだろう。
そして、封魔が自分の限界に構わず、抑えていた力を解放したのも仲間を失いたくなかったからのはずなのだ。
花音だって、これ以上は誰の犠牲も見たくないし、何よりこんな辛いすれ違いも見たくなかった。
それでも、この状況を変える方法も思い付かない。
その時、視界の端で風夜が溜め息をついたのがわかった。