光の少女Ⅳ【神魔界編】
「星華」
「・・・はい」
「今、負ってる傷だけでも」
「・・・はい」
神蘭に言われ、星華が封魔に手を翳す。
「・・・悪いな」
「・・・いえ」
「ふん。力を抑えた上に、そんな消耗した状態で、俺に勝てるとでも?だったら、遠慮はいらん。全員纏めて来い」
「・・・いや、その必要はない」
挑発した闘牙の言葉に、風夜が答える。
「何?」
「全員で相手をすることもないって言ってるんだ。お前、自分も相当消耗しているってこと、わかってないのか?」
「それがどうした?だが、俺よりそいつの方が」
「それもそうだが。全員相手する程の力は、お前にはない。ここから加わるのは、俺一人で充分だ」
お互いに挑発しあっているような風夜と闘牙に、花音はひやひやしていたが、そこで風夜が封魔を見た。
「・・・その制御装置で抑えられた力の分は、俺がカバーしてやる。だから、もう絶対外すなよ」
「って、何でお前が?」
驚いたように見る封魔に、風夜は笑う。
「・・・俺に策がある。それに試しておきたいこともあるんだよ」
そう言うと、闘牙の方へ視線を移す。
「ってことで、ここからは二対一だ。いいな?」
「ふん、構わん。俺は、何人相手でもな」
そう言ったかと思うと、闘牙は再び魔力弾を放ってきた。