光の少女Ⅳ【神魔界編】
「闘神は誰もがなりたいからといってなれるものではない。だから、一時的に闘神が封魔一人になった。その時には、私達も軍には所属していたけど・・・、正直見ていられるものではなかったよ」
「・・・・・・」
「前の闘神達は皆、部下を大切にしていてな。その分、繋がりも強かった。だから、誰もが失くした上司達のことを悲しみ、そして、行き場のない怒りが封魔に向けられた。・・・恥ずかしいことに私達もな」
「!?」
「私達は全員が悲しみに溺れ過ぎて、ただ一人帰ってきた封魔に自分達の感情をぶつけてしまった。・・・一番辛かったのは、封魔だったはずなのにな。・・・闘神は一人になり、部下達は好き勝手に責め、中には言うことを聞かない者もいる始末。あの時、軍はバラバラで、敵の襲撃があれば、簡単に崩されただろうな」
「でも、そうならなかったのって、襲撃はなかったってことですか?」
そう聞いた花音に、神蘭は首を横に振った。
「・・・いや、違う。封魔が一人で対応していた。まぁ、言うことを聞かない部下を使うより、自分が出た方がいいと思ったんだろう。・・・それでも、一人では限界がある。ましてや、今まで闘神で分担していた仕事が全て一人に集中したんだ。その後、封魔は倒れ、その次にあった時には・・・人が変わっていた」
「変わってた?」
それに神蘭は悲しげに頷いた。