光の少女Ⅳ【神魔界編】
「花音も、見ただろう?彼奴が腕輪を外した状態を」
「見たけど・・・」
「どうやってあの状態になったのかまではわからないが、次にあった時からはあの状態、いやあれより酷かった。・・・戦いを楽しみ、自分が傷付いても自身の身を顧みることもしない。ただ総長と副総長の命のままに動く戦闘人形・・・。・・・その状態を見た時、私はショックで仕方なかった。同時に、私達は自分達の過ちに気付いたよ。・・・私達が封魔を責め続けた結果が、あの姿だと」
「神蘭さん・・・」
「それから、私達が闘神に上がるまで、封魔はその状態だった。私達が同じ立場に上がり、軍の再編成を終えた所で、神麗があの腕輪をつくってくれたんだ。・・・でも、やっぱり一度犯してしまった過ちはなかなか取り消せないみたいでな。・・・私達が同じ立場になっても、危機的状況に陥ったと判断すれば、彼奴は抑えている力を解放する。それがどれだけ自分に負担をかけるかわかっているのにな」
「外さないように言っても、駄目なんですよね?」
「ああ。何度も言ってるし、一度は約束してくれた。それでも・・・」
「外してしまうんですね?」
「ああ。・・・やっぱり、外させない為には、私達ももっと強くならないといけないのかも・・・」
哀しげな表情ながらも、決意を新たにするような言葉に花音も頷く。
神蘭のその言葉は、花音にも言えることだと思った。