光の少女Ⅳ【神魔界編】
3
風夜と光輝が仲間達の所へ戻っている頃、遺跡の中に身を隠していた花音は、放った矢が消えた辺りを見ていた。


「上手くいったのかな?」


仲間達がいる所に矢が届いたのか、それを誰かが見つけてくれたのか、花音に確かめる事は出来ない。

だから、今は上手くいったことを祈るしかない。

そう思った時、座っていた花音の頭上に影がさす。

それに気付いて恐る恐る見上げると、何時の間にか至近距離に花音が逃げてきた筈の男の姿があった。


「ひっ・・・」

「くくくっ、見ぃつけた」


息をのんだ花音の前で、ニタリと笑う。


「少し前に、妙なことをしていたな。矢を飛ばして、仲間に居場所を伝えようとでもしたか?」

「!!」


見ていない筈なのに、あっさりと言い当てられ花音は目を見開いた。
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