光の少女Ⅳ【神魔界編】
光ったものが気になって、花音はその方向へ目を凝らす。

すると、今まで身動きしないで聖羅の後ろにいた魔族の少年が短剣を手にしているのがわかった。

そのことに少年に背を向けている聖羅も、窮姫と対峙している神蘭も気付いている様子はなく、他の闘神や光輝達も気付いていない。


(っ・・・)


後ろから短剣を聖羅に突き立てようとするのを見て、花音は走り出す。


「おいっ!」


それには流石に気付いたらしい封魔が声を上げたが、止まるつもりはなかった。

向かっていく花音に気付いたのか、魔族の少年は慌てたように聖羅へ短剣を突き出す。

だが、次の瞬間、それが捉えたのは、聖羅と短剣の間に飛び込んだ神族の少年だった。


「!?」


それで気付いたらしい聖羅が振り返り、倒れる少年を抱き止める。

魔族の少年はそれに動揺していたようだったが、倒れている少年に懸命に声をかけ続けている聖羅に再び短剣を向ける。



「うあああっ」


声を上げて斬りかかる少年に、聖羅が気付くのと花音がそこについたのは、ほぼ同時で、花音は聖羅を思いっきり突き飛ばした。
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