光の少女Ⅳ【神魔界編】


どのくらい眠ったのか、花音が目を開けた時には部屋の中は薄暗くなっていた。


「どうだ?気分は?」


目は開けていたものの、ぼんやりとしていた花音は、風夜の声に慌てて起き上がる。


「私、どのくらい眠ってたの?」

「そうだな。俺が来たのが10時くらいだから」


そう言った風夜の視線の先にある時計は【16:30】を表している。


(ろ、六時間半も・・・)

「で、気分はどうなんだ?」


眠っていた時間の長さに驚いていると、もう一度聞き直された。


「・・・うん。もう大丈夫みたい」


目が覚めてから、身体の痛みや怠さは消えている。

手に力を集めれば、光球も作れた為、薬が効いたようだった。


「そうだ!風夜の方こそ、大丈夫だった!?」

「ん?」


自分が大丈夫だとわかると、魔族になってしまった風夜が長時間いることが危険だということを思い出す。


「だって、私が起きるまで此処にいたんでしょ?なら・・・」

「ああ、それなら」

「・・・この部屋には、結界が張ってある。そいつが部屋から出なければ、ばれることがないようにな」


風夜の後を引き継ぐように、声がする。

その声に花音が視線を動かすと、いつの間にか部屋の扉に寄り掛かっている封魔の姿があった。
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