光の少女Ⅳ【神魔界編】
「とはいえ、そろそろ限界だ。色々理由をつけて、誤魔化してはいるがな」
「だろうな」
呟いて、風夜は座っていた椅子から立ち上がる。
「もう大丈夫みたいだしな。俺は、そろそろ戻るぞ」
「あ、うん。・・・ありがとう」
花音が言うと、風夜はフッと笑った。
そして姿を消そうとして、何かを思い出したように封魔を見る。
「そうだ。この際だから、言っておくか」
「ん?」
「何?どうしたの?」
花音と封魔が聞き返すと、風夜が話し始めた。
「薬を取りに魔界へ行った時、少し探ってきたんだが、妙な動きがあった」
「妙な動き?具体的には?」
封魔が目を細める。
「それはまだ探れていない。あくまでも目的は、薬の入手だったしな。ただ、他にも幾つか気になることが出来た。だから、しばらくは俺達は俺達で動かさせてもらう。・・・今回のようなことがあっても、しばらくは協力出来ないぞ」
「あ、あはは・・・」
言外に無謀なことをするなと言われ、苦笑を返す。
「言われなくても、同じ過ちは繰り返さない。この神界に、魔族であるお前達を呼び込むことはもうない」
「だといいがな」
封魔にそう返し、風夜は溜め息をついた。