光の少女Ⅳ【神魔界編】
「・・・そいつなら、封魔が取り押さえた後、そのまま軍に連れていかれたわ。そこで取り調べの後、処刑された」
「!!・・・そんな・・・、あんな小さい子を・・・」
「・・・彼は無断で神界に浸入した。それだけでも許されないのに、私の命を狙い、罪のない子の命を奪った。貴女だって、毒を受けたせいで苦しんだでしょ?」
「でも・・・」
「敵に情けは無用よ。敵である魔族がどうなろうと、心を痛めることはないわ」
「・・・・・・」
その言葉に花音は黙りこむ。
それを見て、聖羅は更に続けた。
「貴女の仲間にも魔族が数人いるみたいだけど、あまり気を許しすぎない方がいいわ。彼等に情を移しすぎると、失った時に辛い思いをするのは貴女よ」
「・・・風夜達は、悪い人じゃないよ」
「どうだか。あの子みたいにいつ豹変するかわからないじゃない。花音、私は貴女のことを思って、忠告してるの」
「・・・・・・」
「彼等を信じきっては駄目。魔族は、隙につけこんでくるのも上手だから、とにかく信じたら・・・」
「っ・・・」
それ以上は聞いていたくなくて、花音は聖羅に背を向ける。
「花音!」
そのまま、そこから立ち去る為、走り出した。