光の少女Ⅳ【神魔界編】
「・・・・・・」
聖羅から距離をおくため走り去った花音は、気がつくと街中に出ていた。
一人で何も言わずに出てきてしまったが、今は戻る気にはなれなくて、何処にいくわけでもなく歩き出す。
すると、反対側から女性が歩いてくるのが見えた。
女性は服も髪も真っ黒で、何処か神界には似合わない雰囲気をもっている。
「・・・あら?」
「っ!」
その女性と擦れ違った時、聞こえてきた声に足を止める。
(この声・・・!)
女性の声が神界に来る前、人形から聞こえてきた声と重なる。
花音が振り返ると、同じように振り返った女性の切れ長の目が妖しく光った。