光の少女Ⅳ【神魔界編】
2


「・・・ん?」


中央塔で光輝達が花音を探している頃、花音は狭い牢の中で気が付いた。


(ここ、何処・・・?)


中央塔を出てから一人の女性と擦れ違った所までしか記憶がない。


「フフ、お目覚めかしら?」


聞こえてきた声に花音は牢の外を見る。

そこには気を失う前に擦れ違った女性がいた。


「貴女は?」

「私?私は黒姫」

「!!」

ー『窮姫達の後ろにいる黒幕、それは闇巫女黒姫って女だ』ー


名乗った女に、思い出したのは神界に来たばかりの頃の龍牙の言葉だった。

(黒姫って、黒幕だって言ってた人だよね?それじゃ、此処って・・・)


魔界に連れて来られてしまったのかと、花音は青ざめる。

そんな花音に気付いたのか、黒姫は笑った。


「此処は神界よ。とは言っても、此処は魔族達の里だけどね」

「魔族の里・・・」

「そう、私達が神界を攻める為に少しずつ準備をしていた結果、出来た里よ」


そう言って、黒姫は再び笑う。

だが、そんな彼女の背後にいる魔族達は戸惑っているようにも見えた。
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