光の少女Ⅳ【神魔界編】
3

黒姫に魔族の里へ連れて来られて数日。

花音は相変わらず牢の中に入れられたままだったが、牢の見張りになった二人と仲良くなりつつあった。


「はい、食事だよ」

「ありがとう」


牢の外から入れられた食事を受け取り、花音は辺りを見回す。

いつもは二人で来ていたのに、今日は一人しかいない。

それに里の中が何処か慌ただしいような気もした。


「何かあったの?」


聞いている間にも、花音がいる牢の前を装置のようなものを運ぶ数人が通り過ぎていく。


「・・・ええ、神界軍がこっちに向かってきているって」

「!!」


それを聞いて、花音は少し考え込む。


(私が此処にいるって、気付いてもらえたのかな?でも・・・)

「確かこの里って、神界軍と不戦協定を結んでいるって言ってたよね?」

「・・・ええ、少なくても私達はそう聞いていたんだけど」


少女はそう言ったが、里の様子はまるで神界軍を迎えうとうとしているようだった。
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